9月6日に令和元年度、院内感染対策研修会・地域医療連携事業講演会・へき地医療支援機構講演会を行いました。

公開日 2019年09月10日

 藤田医科大学 微生物学講座・感染症科 教授(ピッツバーグ大学医学部准教授を併任)の土井洋平先生から「薬剤耐性菌:世界と日本の現状」という演題でご講演をしていただきました。薬剤耐性菌の拡がりは国内外で問題となっており、直近では国内の病院における多剤耐性アシネトバクター感染症やバンコマイシン耐性腸球菌感染症による死亡例がでています。さらに深刻なのは、病原細菌の薬剤耐性化は進化しているのに、新規作用機序を持つ抗菌薬の開発が停滞している現実があります。新規抗菌薬の開発の後押しにはインセンティブ(動機づけ)が必要であります。インセンティブには、Push incentive(抗菌薬の臨床開発支援)やPull incentive(承認後の一定期間、売り上げと関係なく資金を助成すること)の2つがあり、新規抗菌薬開発の継続にはPull incentiveが今後重要になってくるとのことでした。また、世界的視野でみますと、開発途上国の抗菌薬使用量の増加、畜産動物に対する抗菌薬の多用、抗菌薬による河川や土壌の環境汚染などが問題となっており、耐性菌の問題は医療の枠を越えた、社会的な解決を必要としていると教えていただきました。今回、院内外の多数の医療関係者の方にご参加いただき有意義な研修でありました。

感染対策研修会20190906