放射線治療

 

放射線治療について

エネルギーの高い放射線を病巣部に照射することにより,がんの縮小や消失を期待する治療法です.近年,放射線治療は,手術・抗がん剤と並ぶがん治療の三本柱として重要視されてきています.がんそのものを治すことを目的とした根治治療から,腫瘍による圧迫や腫瘍からの出血,痛み等の症状を和らげる緩和治療まで放射線治療は幅広い役割を担っています.

当院の放射線治療装置

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         CLINAC iX          ONCOR Impression Plus

  (米国 Varian Medical Systems社製)     (独国 Siemens社製)

当院は放射線治療装置(直線加速器)を2台導入しています。CLINAC iXはX線が6および10MV、電子線が4,6,9,12,15MeVのエネルギーを使用することが可能です。ONCOR Impression PlusはX線が4および10MV、電子線が5,7,10,12,14,15MeVのエネルギーを使用することが可能です。病気の深さに応じた放射線のエネルギーを使用することにより、より適切な深さに放射線を照射することが可能になります。

 

放射線治療の目的

放射線治療の目的には次の4つがあります。

1.根治的照射

  • がんの治癒を目的とした放射線治療です.放射線の効果が高いとされるがんや小さながん病巣,手術が困難な部位のがんの治療に用いられます.

2.緩和的照射

  • 骨転移による痛みや脳転移による神経症状の軽減,腫瘍による気管,神経などの圧迫改善,腫瘍からの出血止めなどを目的とした放射線治療です.放射線治療により,患者さんのQOLが高まる可能性があります.

3.術前照射

  • 手術前に放射線治療を行うことにより,がんを小さくして手術をしやすくする目的の放射線治療です.

4.術後照射

  • 手術後に手術で取りきれず残ったがん細胞に放射線治療を行うことにより,がんが再発する確率を低下させる目的で放射線治療は用いられます.

5.予防的照射

  • がんの治療後に,将来的に転移しやすい部位に対して予防的に放射線を照射することがあります.

放射線治療の長所・短所

長所

  • 放射線では正常組織を残して治療できるため,臓器の形や働きを温存できます.
  • 身体の負担が比較的少なく、外来通院での治療も可能です.

短所

  • がんの種類・病巣の進展範囲によって放射線の効きやすさに違いがあります.
  • 治療期間が1~2か月と長くなる場合があります.
  • 放射線が当たる範囲の正常組織には副作用が出る可能性があります.

放射線治療の流れ

治療方法の選択・説明

  • 放射線治療担当医より放射線治療についての説明があります.
  • 具体的な放射線治療の方法や,1回の線量,回数や治療スケジュール,副作用などについての説明をさせて頂きます.

 

固定具の作成

  • 治療する体位を保持しやすいように,下記のような固定具を使います.
  • 身体の動きやすい所(頭部・顔面・頸部)には必要に応じて専用の固定具(シェル)を作ります.

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治療計画のためのCT撮影

  • 実際の放射線治療と同じ体位でCTを撮影します.
  • 仮のしるしをマジックで体に書きます.初回の治療で使う大切なしるしですので,消えてしまわないようにお願いしています.

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放射線治療計画用のCTです。CT画像を用いて放射線治療の計画を作成します。

 

治療計画

  • 撮影したCTを用いて,放射線治療のシミュレーションを専用のコンピュータ上で行います.
  • 治療する範囲を正確に決定し,周囲の正常組織に当たる放射線量が極力少なくなるように計画を立てます.

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放射線治療計画の画像の一例です。

 

初回の治療

  • 治療台の上でX線写真やCTを撮影し,治療位置が適切であるかどうか確認します.
  • 位置の確認後,消えにくいインクで皮膚にマークを描きます.毎日の治療に使う大切なしるしです。
  • 初回の治療にかかる時間は20~30分ほどです.

 

日々の治療

  • 皮膚のマークに合わせて位置合わせし,治療を行います.
  • 日々の治療は10分程度で終わります.
  • 皮膚のマークが薄くなった場合、その都度、書かせて頂いています。完全に消えてしまわなければ、多少薄くなる程度でしたら問題ありません。

 

放射線技術科