核医学検査(RI検査)

1 核医学検査(RI検査)について

 

①PET-CT検査

当院では、PET検査の薬(FDG)をデリバリーしてもらいながら運用しています。
ほとんどのがん細胞は正常細胞の3~6倍近く、糖分(グルコース)を多く取り込む性質があります。
PETはこの性質を利用した検査で、放射線の出る薬にグルコースを合わせたもの(FDG)を静脈注射します。
この後、1時間ほどで薬が全身に行き渡り、特にがん細胞により多く取り込まれますのでこの状態をPET-CTで撮影すると、どの場所にどのくらいの大きさのがんが存在するのかが分かるようになります。
また、CTも同時に撮影しますので、CT画像と照らし合わせながら病気の場所と状態を把握することが可能となります。
実際の検査時間は30分程度ですが、検査室内に入室してから退出するまで約2時間半くらいかかります(検査説明、更衣、血糖値測定、待機、検査、回復時間を含みます)。

PET-CT装置
PET-CT装置

PET-CTで撮影した画像(左:CT画像中:PETとCTの重ね合わせ画像右:PET画像)
PET画像

また当院では、呼吸の呼気相(息を吐いた時)に合わせた画像を作ることができる、呼吸同期システムを搭載しています。
これにより、呼吸をしながら呼吸を止めたようなブレの少ない画像を撮影することができ、より診断価値の高い画像を提供することが可能となります。
ただし、すべての撮影に呼吸同期システムは利用していませんのでご了承ください。

呼吸同期システムで撮影した画像と非同期の画像の比較

呼吸同期撮影
呼吸同期画像
通常撮影
通常撮影

②SPECT(スペクト)検査

ガンマ線という放射線を放出する薬(放射性医薬品:RI)を静脈注射し、検査用のベッドの上に20~30分くらい横になっている間に、専用のカメラ(ガンマカメラ)で体の中の様子を画像にする検査です。
静脈から注射する他に、薬によってはカプセルを飲んでいただくものもあります。
検査によっては、その日に終わるものから2~3日かかる検査まであります。

SPECT装置
SPECT装置

SPECT検査画像

骨シンチ 脳血流シンチ
骨シンチ 脳血流シンチ

 

さらに、SPECT検査においては、各種解析ソフトを利用し、診断の補助となるデータを多数提供しています。                                                                  

eZIS1 eZIS2

 

MRI画像を用いた早期アルツハイマー型認知症の診断補助ソフトも使用しています。

VSRAD1 VSRAD2

 

 

2 RI内用療法について

①塩化ラジウム(ラジウム-223)(商品名:ゾーフィゴⓇ静注)による骨転移のある去勢抵抗性前立腺がん(※)の治療

(※男性ホルモンの分泌を抑える治療を実施しても病状が悪化する前立腺がんのこと)

塩化ラジウム(ラジウム-223には、アルファ線と呼ばれる放射線を出す「ラジウム-223」という放射性物質が含まれています。

このラジウム-223には、骨の成分であるカルシウムと同じように骨に集まりやすい性質があり、注射で体内に送られると、代謝が活発になっているがんの骨転移巣に多く運ばれます。そして、そこから放出されるアルファ線が、骨に転移したがん細胞を攻撃します。

こうした作用によって、骨転移した去勢抵抗性前立腺がんに対して治療効果が期待できます。

 

塩化ラジウム1

 

塩化ラジウム(ラジウム-223は、4週間ごとに1回、静脈注射で投与します。最大6回の注射を受けたら、塩化ラジウム(ラジウム-223による治療は終了です。

塩化ラジウム2

<バイエル薬品株式会社ホームページ 患者指導用ツールから引用>

 

②塩化ストロンチウム(ストロンチウム-89)(商品名:メタストロン®注)による、がんの骨転移による疼痛の緩和を目的とした治療

このお薬は、がんの骨転移による疼痛の緩和を目的とした治療用の放射性医薬品です。ストロンチウム-89という放射線を出す物質(アイソトープ)を含んでおり、骨の成分であるカルシウムと同じように骨に集まりやすく、骨転移部では、正常の骨より長くとどまり、その放射線(ベータ線)によって痛みがやわらぐと考えられています。


単回の静脈投与のため外来治療が可能で、また、比較的長期間にわたって鎮痛効果が得られます。特に外照射の適応が困難な 多発性の骨転移患者さんや外部照射のための体位がとれない患者さん、分割照射が必要な外部照射に際し通院による治療が困難な患者さん、 リスク臓器である脳・脊髄に接する椎体等の転移病巣において、既に外部照射を施行している再増悪例の患者等の疼痛緩和治療に適しています。

 

 

③放射性ヨウ素内用療法

放射性ヨウ素内用療法では、放射性ヨウ素のひとつであるヨウ素-131というアイソト-プの入ったカプセルを飲んで、甲状腺の病気を治療します。

放射性ヨウ素内用療法は、体内に吸収された放射性ヨウ素の60%以上が甲状腺細胞に取り込まれるという性質を利用した治療法です。

甲状腺に集まった放射性ヨウ素は放射線を発し、甲状腺ホルモンをつくる細胞を徐々に破壊していきます。

バセドウ病では、甲状腺ホルモンをつくる細胞が少なくなり、甲状腺の働きが正常になっていきます。

甲状腺がんでは、がん細胞を破壊し、転移したがんも破壊します。