放射線治療の症例

症例1 70歳代男性 肺癌

検診で異常指摘あり病院を受診、左肺上葉扁平上皮癌と診断うける。呼吸機能の検査で外科手術は困難との判断され、放射線治療・定位照射目的で当科紹介となる。

左上葉に2cm強の不整形腫瘤影

PET/CT上、FDG集積亢進あり。リンパ節、遠隔部位への転移は認めなかった

放射線治療定位照射計画

病変部にはFDG集積殆ど認めず(かえって正常のところの集積の方が目立つくらい)

  • 独歩にて来院(酸素吸入なし)
  • 特に生活に支障なく、自覚症状も特になし
  • KL-6、SCC抗原、シフラ(腫瘍マーカー)いずれも正常範囲内

完全寛解として現在も外来にて経過観察中

症例2 60歳代男性 副鼻腔癌

「鼻閉感あり上顎洞炎」として当科に紹介。
ファイバーにて下記所見あり

右鼻腔内に血塊+
下甲介浮腫?腫瘍?
吸引で出血あり、易出血性と思われる

骨破壊を伴う軟部腫瘤影あり

  • 生検にて低分化扁平上皮癌と診断
  • 放射線治療50グレイ/25分割+動注化学療法4回施行

放射線治療計画

5年後

  • 5年間再発転移なく完全寛解の状態継続中
  • 右眼は白内障にて手術を受けられる
  • その他は明らかな副作用なく経過観察中

症例3 60歳代女性 肺癌(脳転移)

  • 咳・痰・発熱あり抗生剤投与にて改善せず、紹介元受診
  • 各種検査後右上葉肺癌多発転移(肺・副腎・脳)と診断、脳転移に対する定位照射目的で当科紹介となる

放射線治療計画

その後の経過

引き続き現在まで治療部位は消失したまま、新出病変もなく又明らかな副作用もない。
現在、外来経過観察中。

症例4 70歳代男性  前立腺癌

  • 3ヶ月前からの頻尿あり近医受診
  • PSA高値のため当院泌尿器科紹介初診
  • 当院初診時PSA:55.83ng/ml(正常値:0~4)
  • 前立腺生検施行(10カ所)
    9カ所で腺癌検出
    グリソンスコア(悪性度評価値):4+5=9(悪性度高い)
  • ホルモン治療併用放射線治療目的で当科紹介となる

放射線治療計画


カソデックス=抗がん剤 リュープリン=ホルモン製剤

現在

  • ホルモン治療なしでPSA0.06
  • CT:明らかな転移・再発所見なし
  • 3年半以上経った現在まで明らかな副作用なし
  • 国際前立腺症状スコア:1点

症例5 60歳代男性 胃癌(止血)

  • 胃癌にて加療中、吐血・下血を繰り返しそのたびに貧血が進むということで輸血を繰り返していた
  • 輸血が頻回に必要となったということで止血目的での緩和的放射線治療目的で当科紹介となる

胃カメラの写真

出血は止まり、胃内に血液貯留なく粘膜面がきれいに見えている
胃がん自体もかなり縮小している

  • 放射線治療終了時点でヘモグロビン値が下がらなくなった
    ⇒終了後1回輸血を要したがその後は順調に回復
  • 化学療法は頻回の輸血のため延期されていたが放射線治療後止血が得られ、化学療法を再開できた